それまでまっすぐだったインターステート(I-40)がニードルズ(Needles)からキングマン(Kingman)の間は大きく南に蛇行している。
理由は単純。越えるより迂回した方が良さそうな山、ブラックマウンテンズがあるから。
日本ならたぶんトンネルを掘るな。
しかし、80年以上前の人々は廃鉱になった金鉱の街オートマン(Oatman)を通る山岳道を新しいハイウェイのルートに選んだ。
この区間はシカゴからサンタモニカまでの全長2,347マイルで唯一の山岳ルート。タイトなワインディングとワイルドな景観は世界中のアメ車オーナーやハーレー乗り憧れの道となっている。
今回は車内からiPhoneで撮った写真を多めにアップするので、ご覧頂いた方に少しでも同乗体験をしていただければうれしい。
朝は早起きをしてニードルズ(Needles)の街を探索しようか、なんて思っていたけど目が覚めたらチェックアウト寸前の時間。
ニードルズでは1枚も写真を撮らずにEXIT142からインターステート(I-40)へ。
今日の予定はオートマン(Oatman)~キングマン(Kingman)~セリグマン(Seligman)のRoute66 3menにのんびり浸りながら走るつもりだったけど、旅は予定通りにいかない方が面白いかもしれないね。果たしてどうなることやら。
以前にも書いたが同じ道でも州を越えればEXITナンバーがリセットされる。州境から1マイルにあるアリゾナ最初のEXITは当然EXIT1。中央の看板はアリゾナ州旗。今回はここトポック(Tpock)で降りてルート66(オートマン・トポック・ハイウェイ)を北上する。
ここはまだモハベ砂漠の中だけど、すぐ隣りにあるグース湖のせいか緑が多くなってきた。
ひとつ目の街、ゴールデン・ショア(Golden Shores)への入口。
ゴールデン・ショアは上空から見ると正方形を斜めに並べたような街。ラフリンとオートマン方面への分岐がある。
ガレージに40年眠り続けていたZ50Mが、こっちでは$300 なんていうミラクルだってあるかもしれない。
ちなみに日本だったらフルレストア車で80万円以上もあり得る、6インチホイール&リジットサスな60'sミニバイク。
ゴールデン・ショアを過ぎると「HISTORIC ROUTE 66(景観保護区間)」のはじまり。
いよいよ山岳ルート。オートマンまでは緩やかなワインディングが続く。
あなたのイメージするルート66とちょっと違うでしょう。
アメリカンバイクには興味無いんだけど、やっぱりこの道はCBRやR1じゃないな。
実際すれ違うバイクは皆ハーレー・ダビットソンだ。
サボテン家族の歓迎(または威嚇)
この山を越えるとき、峰伝いに星条旗が見えたので、ちょっとより道を。
慰霊碑だった。
アメリカは景観の素晴らしいところにいくと、たくさんの小さい十字架を見つけることがよくある。よく見るとベトナムや朝鮮、最近では湾岸戦争での戦没者を祀っていることに気づく。きっと、この道が好きだったんだろう。 僕も同じだ。 謹んで一礼を捧げる。
ルート66に戻り、しばらく行くと・・・
かつての金鉱の街「オートマン」の入り口。
そこはアメリカ版「大内宿」
ライトフライヤーが飛ぶ1年前の創業。現在ホテルは営業していない。実は幽霊が出る噂もある。
~ オートマンの風景 ~
街の少し手前にあるギフトショップ。店主はとてもかわいいおばあちゃん。
ビジターセンターの要素もあり、手作り感全開のタウンマップ(¢50)が置いてある。
街の喧嘩は即決闘になる。
今日は言いがかりをつけた方がやられたようだ。
したり顔のコイツ、亡骸からブーツを脱がしてたな。
もちろん冗談。タイミングが合えばこんなウェスタンショーが見られる。
年配の方が格好良いことも、この国の羨ましいところだ。
日本じゃカスタムが基本のハーレーだが、Route66ではむしろストックが格好良い。
この年代の女性は彼らと話ができるらしい。
ほらね。
この街での注意点を教える。下をよく見ろ、綺麗な靴で帰りたいなら。
僕は動物と女性(赤ちゃん&中高年)にはモテるほうだ。実用性はない。
ここは紛れもない、あの道。
Dodge 200 なんかが普通に走る街。